研究概要を書くときに注意しなきゃいけないことってなんだろう?

こんにちは、くりあす(@kuriyaslog)です
就職活動を終えた私は、幸いにもメーカー研究職として内定をいただくことができました。
研究職に絞った就活を行なってきましたが、その書類選考では、エントリーシート(ES)とは別に「研究概要」の提出を求められることがほとんどでした。
これは研究職・開発職ではほぼ必須となる重要なモノです。
ESでは「〇〇字以内であなたの研究内容をまとめてください」と指定がありますよね。
研究概要では「A4の紙1枚であなたの研究内容をまとめてください」とざっくり。初めてだとどう手を付ければいいのか、困ってしまうのではないでしょうか。
そこで今回は私自身の経験を踏まえて、研究概要の書き方と注意事項をまとめていきたいと思います。ひとつの参考資料として捉えてもらえると嬉しいです。
研究概要って何?
研究概要とは、A4の紙1〜2枚でまとめる今までの研究成果のことです。
冒頭に述べたように、ESとともに提出を求められることが多いですね。企業によっては、学士・修士・博士のそれぞれを各1枚でまとめさせることもあるようです。
選考に係る一資料であるとともに、次ぐ個人面接・最終面接でも見られている印象でした。
研究概要の流れとしては以下のようになると思います。テンプレートは参考までに。
① 背景
なぜあなたがその研究を行なっているのか、その道筋を示しましょう。
どんな問題が解決できていないから、取り組む必要があるのか
先行研究などで得られている情報や知見を述べることになると思います。
図などを用いて、アウトラインを表現してあげるとわかりやすいですね。
② 目的
あなたの研究で目指すゴールはどこに設置されているのかを示しましょう。
については目的と一緒に一言付け足すか、⑥ 展望で触れるとよいと思います。
③ 方法
あなたがどのように実験を行なったのか、その概要を示しましょう。
様々な実験を行なったと思いますが、すべてをまとめる必要はありません。
ざっくりでもよいので、研究の流れを把握できるようにできるといいですね。
④ 結果
あなたが行なった実験によってどんな結果が得られたかを示しましょう。
もし図などが出せるのであれば、出してあげるとわかりやすいと思います。

欲張って詰め込みすぎは禁物ですよ!
⑤ 考察
あなたが得た結果から、どんな知見を得ることができたのかを示しましょう。
結果からどのような可能性が考えられるのか
⑥ 展望
今後、あなたの研究はどのように展開していけるのかを示しましょう。
この研究が進んでいくとどのように応用していけるのか
について「やれる・やれない」に関わらず書いてあげるとよいと思います。
また受ける業界によっては「どんな事業に応用していけるか」まで述べられるとよいのではないでしょうか。
⑦ 研究実績
あなたの研究内容による学会発表や論文発表、特許申請状況などを示しましょう。
ただスペースの問題もあるので、企業から指定があったときに書けばいいと思います。

ESに別途の記入欄があることもあります
研究概要はどうやって作ればいい?

Microsoft PowerPointなどのプレゼンテーションソフト
個人的なおすすめはプレゼンテーションソフトでの作成です。
図を入れても調整がしやすいですし、後からも編集が楽ですね。
見栄えなどを気にするようなときも、こちらの方が融通が利きます。

ちなみにA4サイズは幅19.05 cm、高さ27.52 cmです
また、研究概要は「ポスター発表」を意識して作るとよいでしょう。
上から下、左から右へぱっと見たときに研究全体のイメージがつかめるようにします。もちろんスペースに限りがあるため、かなり情報を絞って考える必要があります。
研究概要はいつまでに作ればいい?
もしまだ取り組んでいないのであれば、今すぐ取り掛かりましょう。
3月以降はES作成や企業説明会などで忙しくなるので余裕がなくなるはずです。
少しずつでもまとめていって、完成させていくのがよいと思います。

早くやるに越したことはないです!
また一度仕上がったら、先輩などに読んでもらうとよいですね。
意外と自分の意図が伝わらなかったりするので、赤ペンを入れてもらって作り直していくと、よりよい研究概要が出来上がると思いますよ。
研究概要を作るうえでの注意事項

詳しく「書きすぎる」必要はない
分野ごとの専門用語の使用は極力控える
ひとつずつ説明していきますね。
図の出し方・使い所はよく考える
意外とスペースには限りがあるので、図を入れると文字の総量が減ります。
もっとも示すべきなのはこの結果だ
などの「ここぞ」というときに図を用いることをおすすめします。
また、論文や特許等の状況によっては出せない結果もあると思うので、細心の注意を払うようにしましょう。
詳しく「書きすぎる」必要はない
あなたの研究のすべてを余すことなく書き示すことは難しいと思います。
また、多くを書けば情報は増えますが、その分煩雑にもなってしまいますよね。
書き方を変えれば文字数は減らせますし、もっとわかりやすく書けるようにもなります。
「どれだけ書くか」より「どれだけわかりやすいか」に全力を注ぎましょう。

必ずしも「です・ます体」である必要もないですよ
分野ごとの専門用語の使用は極力控える
研究概要を読むのは人事の方ではなく、現場の研究職の方がほとんどかもしれません。
ですが、その研究職の方があなたの研究分野に明るいかどうかはわかりませんよね。

いきなり後ろから専門用語で殴られたら卒倒モノです
なので専門用語の使用は極力控えるのが賢明だと思います。
使うときはその用語を用いる前に定義してあげれば理解の一助となり得ます。
まとめ:細部に神は宿る
ここまで、研究概要の書き方と注意事項についてまとめてきました。
最後のアドバイスとして一言だけ。
体裁を整えましょう。
第一印象って意外と大事です。
気にしない方なら構いませんが、その意識ひとつでだいぶイメージが変わると思います。
どこかで見た言葉ですが「細部に神は宿る」ので、読みやすさ・わかりやすさを優先に、研究概要を作ってみてください。皆さんの就活がうまくいくことを心から願っています。