・臨床検査技師の主な仕事内容は?
・臨床検査技師の資格を取得するには?

臨床検査技師の資格があると何ができるようになるの?
皆さんが病院に行ったときに、採血をしたり、心電図をとったりしたことはありませんか?あのような業務を担っているのが、「臨床検査技師」という職業・資格になります。
私自身も、大学の過程を経てこの資格を取得していますので、その経験も踏まえてお話ししていきたいと思います。
どんな資格なのか
医師が患者さんの状態を把握するのに必要な情報を集める役割
とも表現できます。また、臨床検査技師等に関する法律においては、以下のように定義されています。
第二条 この法律で「臨床検査技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師又は歯科医師の指示の下に、人体から排出され、又は採取された検体の検査として厚生労働省令で定めるもの(以下「検体検査」という。)及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。
”人体から排出され、又は採取された検体”としては、血液、尿、便、喀痰、臓器などが挙げられます。このような検体に対して行なわれる検査(検体検査)には、微生物学的検査、血液学的検査、病理学的検査、生化学的検査などが挙げられます。
初見だとよくわからないと思いますので、簡単に内容をお示ししておきます。
微生物学的検査:検体から分離された微生物(細菌など)の同定
血液学的検査:赤血球などの血球成分と、血液を凝固させる因子などを含む血漿成分の検査
病理学的検査:採取された検体(細胞、臓器など)の組織・細胞学的な検査
生化学的検査:血中に含まれる代謝産物・代謝酵素の検査
これ以外にも、免疫学的検査、遺伝子検査などもあります。
一方で生理学的検査とは、検体に対してではなく人体に対して行なわれる検査となります。心臓などの循環器系、肺などの呼吸器系、胃や肝臓などの消化器系、脳などの神経系に異常がないかを調べます。例としては以下のようなものがあります。
生理学的検査:心電図、脳波、筋電図、超音波(エコー)、肺機能、聴覚など

業務範囲となる検査が多くて勉強するもの一苦労だったり・・・
取得の道筋
この国家試験への受験資格は、①専門学校または短期大学もしくは②大学において所定科目を修了する者に与えられます。
学部としては医学部、保健学部などに属し、臨床検査学科、医療検査学科、検査科学科など様々な名称があり、少々ややこしいです。

すみません、名称が多岐に渡りすぎて一概に言えません・・・
リンク先にて臨床検査技師の国家試験受験資格が得られる大学・短大・専門学校がまとめられていますので、気になる方はご参照ください(大学一覧もあったのですが、抜けも多かったためこちらを載せています)。
大学によっては理学部、薬学部において所定の科目を履修すれば、受験資格が得られるようです。薬学部(6年制)であれば薬剤師国家試験の受験資格も得られますので、そちらのみを取る方が多いようです…。
試験内容
科目はざっくり分類すると以下のイメージです(カッコ内は100問に占める問数)。
臨床検査総論(10)
臨床検査医学総論(5)
臨床生理学(13)
臨床化学(16)
病理組織細胞学(14)
臨床血液学(9)
臨床微生物学(8)
臨床免疫学(11)
公衆衛生学(5)
医用工学概論(6)

試験範囲広すぎない?
国家試験に関する詳しい内容は、厚生労働省ホームページの資格・試験情報に項目がありますので、気になる方はぜひご参照ください。

4年間でも忙しかったので、専門・短大の3年間だと・・・ゴクリ
資格の利用先
しかし、働ける場所は病院のみに限りません。
私自身が臨床検査技師として働いたことがないため恐縮ですが、ここではその一部を簡単にまとめてみました。こちらにまとめた以外にも選択肢はありますので、以下のサイトにて探してみるのもよいかと思います。
クリニック・検診センターで働く
病院と比較すると、
より小規模なクリニックでは業務幅が広く柔軟性を求められたり
より専門的な検診センターでは超音波検査などのスキルが必要されたり
するなど、それぞれに特徴があります。
以下のサイトに詳しくまとめられていますので、興味がある方はご参照ください。
臨床検査センターで働く
こちらも以下のサイトに詳しくまとめられていますので、興味がある方はご参照ください。
臨床検査技師JOB 臨床検査センターで働く臨床検査技師の仕事内容
アプリケーションスペシャリストとして働く
自社の医療機器(超音波検査装置など)に関するあらゆる情報を熟知し、その導入を検討しているような病院・クリニックにて使用方法などのデモンストレーションや機器説明を行ないます。
臨床検査技師としての知識を活かして、この医療機器でなにが出来るのかということを、病院・クリニック側の要望とすり合わせていくことが求められます。
こちらも以下のサイトに詳しくまとめられていますので、興味がある方はご参照ください。
ちなみに私の同期のうち就職した人の中では、病院に就職した人が8割ほどで、クリニックと臨床検査センター、企業が合わせて2割ほどだったと記憶しています。

このあたりの内訳は大学によって少々異なるかもしれませんが・・・大学HPなどに卒後の進路一覧があることも多いので、そちらだと詳しく知れると思います
まとめ:臨床検査技師=健康を守る「縁の下の力持ち」
しかし、皆さんの健康を維持すべく「縁の下の力持ち」のポジションで日々業務に取り組んでいる方がいることをお伝えしました。少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。
この記事は以上となります。
それでは。